毎日の生活で「なんだかうまくいかない」「周りと合わない気がする」そんな風に感じることはありませんか?実は、そういった気持ちを抱えている人は思っているよりも多いかもしれません。
この記事では、そんな「生きづらさ」の正体を探り、どう向き合えばいいのかのヒントをお伝えしていきます。
目次
「HSP」=生きづらさを象徴するの?
「生きづらさ」という言葉と一緒に、ここ数年「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、周りの様々なことに敏感で、物事を深く考える傾向がある人のことを指します。
HSPの特徴として、以下のようなものが挙げられます:
- 周りの細かい変化に気づきやすい
- 音や光、匂いなどの刺激に敏感
- 他人の気持ちを察するのが得意
- 物事を深く考える傾向がある
- 芸術や音楽に強く心を動かされる
こういった特徴を持つ人は、全体の15〜20%程度いると言われています。
しかし、この「HSP」という言葉を使うときは非常に注意が必要です。
- 医学用語ではなく、はっきりとした定義がありません。
- 人それぞれの特徴を単純化してしまう危険があります。
- 自分で「HSPだ」と決めつけてしまうと、本当に必要な助けを求めそびれる可能性があります。
大切なのは、「HSP」というラベルにとらわれすぎないことです。代わりに、自分の特徴をより具体的に理解し、説明できるようになることが重要です。
例えば、「私はHSPです」と言うのではなく、「私は音に敏感で、静かな環境で作業するのが得意です」「人の気持ちを察するのが得意で、周りの雰囲気に敏感です」というように、具体的に自分の特徴を説明できると良いでしょう。
では「生きづらさ」ってなんだろう?
「生きづらさ」という言葉、聞いたことがあるでしょうか。なんとなく使われている言葉ですが多くの場合、日常生活の中でなんとなく感じる違和感や息苦しさのことを指すように使われている言葉です。人それぞれ感じ方は違いますが、よくある例をいくつか挙げてみましょう。
(1) 周りの人との関係で感じる生きづらさ
- 「みんなの期待に応えなきゃ」と思って頑張りすぎて、疲れ切ってしまう
- 「空気を読まなきゃ」と気を遣いすぎて、本当の自分を出せない
- グループの中でうまく振る舞えず、「私だけ浮いてる」と感じてしまう
こんな経験、ありませんか?人間関係で感じる生きづらさは、とても多くの人が経験しています。
(2) 感覚の敏感さから来る生きづらさ
- 明るすぎる光や大きな音で、すぐに疲れてしまう
- 服のタグがチクチクして気になり、集中できない
- 人混みに行くと、すぐにへとへとになってしまう
これらは、周りの環境からの刺激に敏感な人によく見られる特徴です。
(3) 自分との戦いによる生きづらさ
- 「完璧でなければならない」と思い込み、小さなミスも許せない
- 「自分はダメな人間だ」と、いつも自分を否定的に考えてしまう
- 自分の言動に自信が持てず「〇〇と思われたらどうしよう」と不安になる
- 過去のつらい経験が頭から離れず、今の行動に影響している
自分自身との関係で生きづらさを感じることも少なくありません。
(4) コミュニケーションの難しさによる生きづらさ
- 相手の言葉の真意がわからず、「この人は本当は何を言いたいんだろう?」とモヤモヤする
- 自分の気持ちをうまく言葉にできず、誤解されてしまう
- 冗談や皮肉を字面通りに受け取ってしまい、場の空気を読み違える
人とのコミュニケーションに難しさを感じる人も多いですよね。
(5) 時間や物の管理が苦手なことによる生きづらさ
- スケジュール管理が苦手で、よく約束を忘れたり遅刻したりしてしまう
- 部屋の整理整頓が苦手で、必要なものがすぐに見つからない
- 複数の仕事を同時に進めるのが苦手で、締め切りに追われてしまう
こういった日常生活の管理の難しさも、生きづらさの一因となることがあります。
これらの「生きづらさ」は、決して特別なものではありません。多くの人が似たような経験をしています。また、一人で複数の「生きづらさ」を感じることもよくあります。「自分だけがおかしいんじゃないか」と思う必要はないんです。